
【株式】外資系IT企業のエンジニアとRSU・ESPPの相性が良い話

Oikonです。外資系企業でITエンジニアしています
突然ですが、RSU・ESPPってご存知ですか?
- 聞いたことあるけど何かは知らない
- RSU?ESPP?何それ美味しいの?
- 金の匂いがするぜぇ!
この記事を読めばRSU・ESPPが何かを知ることができます
先に結論を言っちゃいます
- RSU:株式によるボーナス
- ESPP:持株会みたいなもの
上記に加えて、なぜ外資系のITエンジニアとRSU・ESPPの相性が良いか私の考えも紹介します
この記事のメッセージは
RSU・ESPPのためにエンジニアは外資系IT企業を目指してみない?
です!

税金の話も多いですが、できるだけわかりやすく説明します!
もしすでにRSU・ESPPを知っている方がいたら、下のボタンから「外資系IT企業のエンジニアの相性がいい理由」に移動できます
目次
RSU・ESPPとは
タイミング | 課税区分 | メリット | 注意点 |
---|---|---|---|
RSU 権利確定 | 給与所得 | 実質年収アップ | 権利確定日の時価が給与課税 |
RSU 売却 | 譲渡所得 20.315% | 高所得者ほど税率が下がる 給与< 45% vs 譲渡20% | 譲渡損失は給与と通算不可 |
ESPP 割引購入 | 給与所得 | 割引額分、給与が上がる | 割引額が給与課税 |
ESPP 売却 | 譲渡所得 20.315% | 購入から売却までの値上がり益は一律20%課税 | ルックバックで大きな含み益が出ると課税総額も増える |
共通 | 社会保険料の計算に入らないため、現金賞与より手取り率が高くなりやすい | 日本側で源泉が無い場合は確定申告必須 |


はじめにRSU・ESPPとは何かをざっくり説明します
その後具体的なメリットとデメリットを1つずつ紹介します
RSU(譲渡制限付き株式ユニット)
RSUはRestricted Stock Unit(譲渡制限付株式ユニット)の略称です
名前にRestricted(譲渡制限)とあるように売買が制限されています
この制限は以下のような条件によって解除されます
譲渡制限の解除例
- 経過年数
- 業績達成率
多くは経過年数で株式を4分割して4年間権利付与するケースがよく見られます
毎年株をもらって、その株は自分で売ったり保持が可能です





毎年株がボーナスとしてもらえる感じです!
外資系IT企業の多くがなぜRSUをくれるかというと、優秀な人材にやめてほしくないからです
海外では日本よりも転職が一般的で、優秀な人材を引き止めるには追加の報酬が必要です
そのためこのようなRSUを導入して、少なくとも4年間は企業に留まってくれるように考えています
ESPP(従業員株式購入プラン)
ESPPはEmployee Stock Purchase Plan(従業員株式購入プラン)の略称です
日本でいう持株会だと思っていただいて結構です
毎月の給料を天引きして自社株を割引できる制度です
月々の給料の1〜15%、割引率は15%のことが多いです


拠出率15%・割引率が15%の場合、超雑に計算すると給与が2.65%アップします



実際は割引額に給与課税がかかるけど、それでもプラス!
メリット:税金が安い
RSUとESPPは実質年収UPのようなものですが、ただ年収がアップするよりもメリットがあります
それは年収UPに比べて税金が安いことです
RSUとESPPは共に株式の値上がり益が一律20%(正確には20.315%)になります



年収1,000万のケースを例に考えてみましょう!
年収 1,000 万円ゾーンは給与の最高税率こそ 33 %台ですが、住民税・社会保険を合わせると実効負担は 40 %超になります
株式の値上がり益に置き換わるので、個人の税金額が 40%から20%になります
デメリット:株の値下がり・確定申告
RSUとESPPはデメリットとして株式であるがゆえの大変さがあります
それは株の値下がりと確定申告です
株の値下がりについては想像しやすいですね
メリットで値上がり益の税金の話をしましたが、値下がりしてしまうとその税金の恩恵も受けられません
株価動向が気になる方は、もらってすぐに売却する方もいます



それでも株式損失なので税金はかからないのです
また売却した際も、会社で源泉徴収していない場合は自分で確定申告が必要になります
確定申告が必要なもの
- RSU権利確定額
- RSU売却益
- ESPP割引額
- ESPP売却益
これらについて確定申告をしなければいけません
このような株式特有の大変さがありますが、基本的には外資系IT企業の高年収エンジニアの味方です
外資系IT企業のエンジニアの相性がいい理由
ここからは、外資系IT企業のエンジニアとRSU・ESPPの相性がいい理由について私の考えをお話しします
ITエンジニアならではのメリットが主に3つあると思っています
エンジニアに合うメリット
- (RSU)コンサルや営業職より貰いやすい
- (RSU)4年間の転職サイクルに合う
- (ESPP)外資系ITは株価の上昇が期待できる
それぞれ詳しく説明していきます
①(RSU) コンサルや営業職より貰いやすい
多くの外資IT企業では、技術系の職種には「基本給+RSU」型を採用しています
一方で、営業・コンサルは「基本給+コミッション」比率が高いです



支給率は技術職の方が高いことが多いです!
また技術職は技術力で評価しやすい面もあり、RSUが貰いやすい傾向があります
②(RSU) 4年間の転職サイクルに合う
IT業界では、多くのエンジニアは転職をします
その流れとしては
- 配属
- スキル習得
- プロジェクト完遂
- 次のチャレンジ
という流れであり、おおよそこの周期は3-4年のことが多いです
RSUの付与期間もおおよそ4年間の企業が多いため、転職サイクルにマッチします
今RSUのサイクルが4年くらいで転職をする戦略と相性がいいです



「Refresh RSU」というらしいです!
③(ESPP) 外資系ITは株価の上昇が期待できる
ESPPについては、日本にある外資系IT企業ならではの強みがあると考えています
いわゆる持株会であるESPPは、日本企業だと推奨されない意見が多いです
その理由は主に株式の値上がりが見込めないことが多いためです
一方で、日本にある外資系IT企業の多くはすでに事業規模が大きい企業が多いです
また日本企業と違って長期的に見れば株価が上昇しているデータがあります
特に米国企業は株価上昇の傾向が顕著であることはS&P500の株価のグラフを見てもわかります


つまり外資系IT企業、特に米国企業はESPPの値上がり益を享受できる可能性が高いと思います



割引額と値上がり益の両どりが狙えます!
加えてエンジニア職の場合、比較的給与が安定しているためESPPの拠出も無理なく行えることが相性の良い点です
RSU・ESPPを導入している外資系IT企業一覧
日本に拠点(現地法人・支店など)を持つ外資 IT 企業で、公開情報から RSU(譲渡制限付株式ユニット) や ESPP(従業員持株購入プラン) を導入していることが確認できた代表例です
分かる範囲でLevelsや公式サイトを参考にしています
# | 企業名(日本法人例) | 導入プラン |
---|---|---|
1 | Adobe(アドビ株式会社) Levels.fyi benefits.adobe.com | RSU・ESPP |
2 | Apple(Apple Japan合同会社) Apple Careers | RSU・ESPP |
3 | Atlassian(アトラシアン株式会社) Levels.fyi SEC filing | RSU・ESPP |
4 | Cisco Systems(シスコシステムズ合同会社) TheLayoff.com Cisco Benefits | RSU・ESPP |
5 | Datadog(Datadog Japan合同会社) Levels.fyi SEC filing | RSU・ESPP |
6 | GitLab(GitLab合同会社) SEC filing 1 SEC filing 2 | RSU・ESPP |
7 | IBM(日本アイ・ビー・エム株式会社) Levels.fyi IBM Proxy 2024 | RSU・ESPP |
8 | Intel(インテル株式会社) Intel Benefits Intel Benefits (US) | RSU・ESPP |
9 | Microsoft(日本マイクロソフト株式会社) Levels.fyi Microsoft Annual Report 2024 | RSU・ESPP |
10 | NVIDIA(エヌビディア合同会社) equityftw.com NVIDIA ESPP | RSU・ESPP |
11 | Oracle(日本オラクル株式会社) Levels.fyi Oracle Benefits Guide | RSU・ESPP |
12 | Qualcomm(クアルコムジャパン合同会社) Levels.fyi SEC filing | RSU・ESPP |
13 | SAP(SAPジャパン株式会社) SAP Help Portal SAP Learning | RSU・ESPP |
14 | Salesforce(株式会社セールスフォース・ジャパン) Levels.fyi SEC filing | RSU・ESPP |
15 | ServiceNow(ServiceNow Japan合同会社) Levels.fyi SEC filing | RSU・ESPP |
16 | Snowflake(Snowflake合同会社) Levels.fyi Snowflake 10-K FY24 | RSU・ESPP |
17 | Twilio(Twilio Japan合同会社) Levels.fyi Twilio Investor | RSU・ESPP |
18 | VMware(ヴイエムウェア株式会社) Levels.fyi SEC filing | RSU・ESPP |
19 | Workday(Workday株式会社) Levels.fyi benefits.workday.com | RSU・ESPP |
20 | Zoom Video Communications(ズームビデオコミュニケーションズ合同会社) SEC filing 1 SEC filing 2 | RSU・ESPP |
まとめ
この記事では以下のことを紹介しました
- RSU・ESPPについて
- メリット:高収入ほど税金が有利
- デメリット:株価変動と確定申告
また上記に加えて、私なりにRSU・ESPPと外資系ITエンジニアの相性の良さを考察しました
- RSU:コンサルや営業職より貰いやすい
- RSU:4年間の転職サイクルに合う
- ESPP:外資系ITは株価の上昇が期待できる
外資系IT企業はエンジニアにとって働きやすい場所であることに加えて、給与面でもメリットを多く受けることができることを紹介しました
このような福利厚生についてはあまり知られていません
給与をさらに上げたいエンジニアのみなさん、
RSU・ESPPのためにエンジニアは外資系IT企業を目指してみない?
給与関係については以下の記事でも紹介しているので、ぜひ読んでみてください
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今回の記事が少しでも役に立てれば嬉しいです!
ではまた!
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